News Release
ニュースリリース

2015.06.18

「食育の時間」10周年記念
子供の「食」を"考える力"と"選択する力"を育む
新コンテンツが追加

●新コンテンツ"放課後"、テーマは「スポーツ食育」
●朝学習の時間などの短い時間も有効活用できる手軽なコンテンツも年内追加予定
●実施教員「子供は"知れば変わる"、給食の時間で実感する食育授業の効果」

 日本マクドナルド株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長兼CEO:サラ・エル・カサノバ)は、小・中学校の食育授業を支援するWEB教材「食育の時間」の10周年を記念して、「スポーツ食育」を題材にした新コンテンツ"放課後〜スポーツを全力で楽しもう!もっと強くなれるヒミツ"を新設いたします。

 マクドナルドでは、2005年7月にNPO法人企業教育研究会(理事長 藤川大祐千葉大学教授)と共同し、未来を担う子供たちがバランスの良い食生活を送るための知識を身につけ、"食を選択する力"を養ってもらうことを目的にWEB教材「食育の時間」を制作、公開しました。子供たちにとって身近で大切な食にまつわる生活習慣や食生活を、テーマ別に時間割に見立てた構成となっており、これまでにご報告いただいただけでも、教材を活用した授業の受講児童・生徒数は、のべ13万人にものぼります。また、「食育授業支援事務局」を設置し、WEB教材の提供だけでなく、授業用教具の貸出、モデル指導案の配布など、先生方の授業づくりのサポートも行ってまいりました。

 10周年を記念して、授業時間の増加や通塾等で忙しく毎日を過ごしている子供たちのために開発した"放課後"コンテンツを追加致します。「スポーツ食育」をテーマに、スポーツを頑張る子供たちが、練習をより効果的に、試合でもっと活躍できるようになるには、毎日の食事や正しい生活習慣の積み重ねこそが大切であることを、自ら考え、学べる内容としています。

 また、デジタルブックコンテンツも今秋以降に導入予定です。食育授業に45分を割けないことが多いという先生方の声を受けて制作したもので、給食の時間や朝の学習時間等の比較的短い時間でも活用できるサブ教材として提供いたします。

 マクドナルドはこれからも、食を提供する企業として、子供たちが正しい食生活の重要性や食事を楽しむ事の大切さを知り、"食を選択する力"を身に付けられるよう、食を通じて子供たちの笑顔をより豊かにしていくための支援を積極的に行ってまいります。

【ご参考】実際に「食育の時間」を開発、実践している先生の"声"

■古谷成司 先生 (千葉県富里市教育委員会)

 「食育の時間」の0時間目「朝ごはんってなぜ大切なの?」、3時間目「どうしてお腹がへるのかな?」の開発を担当。以降、小学校で積極的に食育授業を実践、現在は教育委員会で食の指導の充実に取り組む。

『給食完食率が劇的に変わった。科学的に理解できれば、子供の行動は変わる』

「食育の時間」開発当時は、私も食育に関して全く知識が無く基礎代謝という言葉も初めて知ったほどです。なので、基礎代謝やカロリー、空腹の仕組みについて必死に勉強しました。そして当時受けもっていた6年生のクラスで授業を実践してみました。このクラスは、ちょうど女子児童はダイエットに興味を持ち始める等の要因により、給食の完食率が低く、「給食をきちんと食べる」が学級目標となっていた程です。そんな児童に、「基礎代謝とは何か」「なぜカロリーが必要なのか」という点について、一人一人が基礎代謝を測ったり、1日の摂取カロリーや消費カロリーを割り出したりする体験を行い、その上で科学的な根拠をもって解説したところ、給食の完食率が劇的に上がったのです。この結果には私も非常に驚きました。

『情報化社会の"少し知っている"子供だからこそ、"根拠"が効く』

テレビやネットで食育に関連したワードをよく耳にする現代の子供たちは、「なまじ知っているからこそ、根拠が効果的」です。以前、運動部の先生が、「なぜ試合で練習の成果や能力が発揮できないのか?」と疑問を持ち分析したところ、午前の試合に問題があるという点に気付きました。子供たちに確認してみると、朝食をきちんと食べてきていないケースが多かったため、指導したところ、午前の試合結果が大きく変わったそうです。初めての食育授業での私の体験と同じように、子供は"なぜそうなるのか"が理解できれば、大きく変わるのです。先生だけでなく、保護者の方々にも是非知っていただきたい点ですね。

『"子供の反応を体感した教師の視点"の教材・授業だから、幅広く、長く続けられる』

現場の先生は、私がそうだったように食に関する専門知識はそれほどありません。体験を伴って教えられればいいのですが、いつもそうはいきません。だからこそ専門知識を持つ方々の力が必要なのですが、その方に「すべてお任せ」はいけません。私の経験上、「食」の分野に限らず、専門家の方は多くを教えようとする傾向にあるように思います。特に小学生の授業では、理解させるためには「ひとつのテーマ」に絞ることが大切で、そこには普段授業を行い、児童と接している現場の先生との連携が重要です。「食育の時間」は、この"専門知識"と"現場教師の視点"が共存する教材だからこそ幅広い先生が使いやすく、支持されてきたのではないでしょうか。

■山口真理 先生 (茨城県鉾田市立串挽小学校 養護教諭)

 給食の時間を活用して、郷土の食べ物やお節の由来等も盛り込んだ「ミニ食育指導」を年間で実施するなど、オリジナルの授業を実践。「食育の時間」では、"手洗いチェッカー"を多く活用。

『以前に比べ、朝食を食べない子供は減った。朝から元気いっぱいの子供の姿で実感』

現在も様々な理由で朝食を食べてこない子供が見られますが、以前に比べて朝食の欠食率は随分減ってきています。2005年に食育基本法が制定され、『早寝早起き朝ごはん』運動が推進されて10年。子供たちが食に対する正しい知識や望ましい食習慣を身につけるための様々な取組みを通して、保護者や子供たちの食に対する意識が高まってきています。「朝食をきちんと食べることで1日が元気にスタートできる」ことを朝から元気いっぱいの子供たちの姿で実感しますね。

『手洗いチェッカーを使い、子供が先生となった食育指導を実践』

昨年度1学期に3年生の子供たちに手洗いチェッカーを使って指導したところ、2学期になり、そのクラスの保健係の子供たちから「今度は自分たちが先生になってもう一度手洗いの勉強をしたい」とリクエストがあり、2度目の手洗い学習を行うこととなりました。指導の流れを子供たちと一緒に考えるなど、私も事前に手伝いはしましたが、当日は子供たちだけでしっかり進行することができました。さらに3学期には友達の先生ぶりに感銘を受けた新しい保健係から3度目のリクエストも。その後の子供たちの様子から、横のつながりである友達からの呼びかけはその後の継続した実践につながっていくことを改めて感じています。

『給食の野菜を完食。"知れば変われる"子供のスゴさ。家庭との連携が必要』

給食時に野菜の栄養について指導した際、いつもは野菜を一口も食べない数人の子供たちがその日の給食の野菜を完食する姿が見られました。これまでは完食することはほとんどなかったようで、担任の先生もとても驚いていました。その後野菜の残しがなくなったわけではありませんが、正しい知識を知ることによって、よりよい行動に変容していくことは保健教育が目指すところでもあります。だからこそ、繰り返し継続して指導していくことや子供たちの意識を継続して高めていけるような支援を、学校と家庭が一体となって取り組むことが大切ではないかと思います。

「食育の時間」概要

■WEB教材「食育の時間」と授業サポート体制

「食育の時間」は、未来を担う子供たちがバランスの良い食生活を送るための知識を身につけ、"食を選択する力"を養ってもらうことを目的に2005年に制作したWEB教材です。子供たちにとって身近で大切な6つのテーマを0〜5時間の時間割で構成したコンテンツで、WEBサイト「食育の時間」で公開しています。WEB教材の提供だけでなく、食育授業支援事務局を設置し、モデル指導案の配布や教具の貸し出し、デモ授業など、全国各地で食育授業を行う先生の授業づくりもサポートしています。
<WEB「サイト食育の時間」> http://www.chantotaberu.jp/ (ちゃんと食べる)

■これまでの取り組み及び「食育の時間」授業実施回数

2005年 : WEBサイト「食育の時間」オープン、全国5校にてテスト授業実施
2006年 : 食育オープンスクール開催
DVD付食育授業指導案全国3,000校に無料配布
2007年 : [授業実施回数] 431回
食育授業支援事務局設置、全国の教職員、栄養士研修会や勉強会での講演活動を開始
DVD付食育授業指導案配付希望受付・配付、授業サポート開始、0時間目テスト授業開始
2008年 : [授業実施回数] 567回
"0時間目"「朝ごはんってなぜ大切なの?-早ね早おき朝ごはん-」追加
DVD付食育授業指導案リニューアル
2009年 : [授業実施回数] 609回
2010年 : [授業実施回数] 662回
2011年 : [授業実施回数] 651回
2012年 : [授業実施回数] 530回
2013年 : [授業実施回数] 547回
2014年 : [授業実施回数] 536回
2015年 : "放課後"「スポーツを全力で楽しもう!-もっと強くなれるヒミツ-」追加
DVD付食育授業指導案リニューアル
<2007年から2014年末までの累計>※事務局を設置した2007年度より報告を受けた回数、人数
授業実施回数:4,533回、受講した児童・生徒数:約131,268名

■「食育の時間」教材コンテンツとサイト概要

@『教材コンテンツ』 0〜5時間目、放課後の教材

  • 0時間目 「朝ごはんってなぜ大切なの?」 −早ね早おき朝ごはん−
  • 1時間目 「好きなものだけ食べちゃいけないの?」 −栄養バランスと栄養素−
  • 2時間目 「ハンバーガーは何でできているの?」 −食品群とそのはたらき−
  • 3時間目 「どうしてお腹がへるのかな?」 −基礎代謝ってなに?−
  • 4時間目 「私たちの食べ物は大丈夫?」 −衛生管理と食の安全−
  • 5時間目 「みんなで食べるとおいしいね」 −正しい食生活−
  • 放課後 「スポーツを全力で楽しもう!」 −もっと強くなれるヒミツ− ※2015年6月追加

A『授業報告』 実際の食育授業の模様や、先生や生徒の感想、反応等レポート公開

B『研修活動』 各団体の研修や勉強会の様子、参加者の反応、担当者感想等公開

■「食育の時間」DVD付指導案

「食育の時間」0〜5時間目のコンテンツごとに、実践授業を踏まえて作成した45分授業のモデル指導案(ながれ)、指導のポイント、貸出教具やワークシートなどの授業サポートツール、授業以外での活用例などをまとめて掲載しています。実践授業の様子(動画)を収録したDVDが付いており、教材コンテンツ、ワークシートや資料など、授業に必要な一式もまとめられているので、付属DVDを用いればインターネット環境がなくても授業実施が可能です。
※DVD付指導案は、学校の授業でご活用いただくことを目的として、教育関係の方々へ無料配布しております。配布及びお問い合わせは、食育支援事務局にて承っております。

■食育授業支援事務局

「食育の時間」を活用した授業用教具の無料貸出や、授業の内容に関するご相談の他、授業実践のデモンストレーション、DVD付指導案の配布等も受け付けています。

【問合せ先】 : 食育授業支援事務局 (NPO法人企業教育研究会内)
TEL:043-308-7229 ※受付時間 10:00〜18:00(土日祝日をのぞく)
FAX:020-4663-5605