News Release
ニュースリリース

2014.10.03

日本マクドナルド、新たな品質管理強化策を追加導入
製造工場の監査体制強化および
サプライヤーとの品質コミュニケーションを深めるプログラムの導入など

日本マクドナルド株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長兼CEO:サラ・エル・カサノバ)は、新たな品質管理強化策を10月から開始いたします。お客様に安心してお召し上がりいただける食事の提供という使命と責任を果たすため、食材の生産・加工・調理に携わる全ての関係先を網羅する形で新たに4つの強化策を追加導入し、透明性の高い品質管理体制の構築を図ります。

お客様に安心して食事を楽しんでいただくための4つの品質管理強化策
1. 一層の規律の強化。“新・監査体制”
  ・食肉・野菜原料を中心に、生産加工現場への監査頻度を増やします。
・約30のサプライヤー工場への、日本マクドナルド・品質保証担当者による、無予告の工場査察を年1回追加実施します。
・第三者機関による定期監査を、予告から無予告に変更し強化します。
2. 知識と意識をひとつに。“食の安全サミット”
  日本マクドナルドの品質保証担当者、サプライヤーの品質管理責任者とその部門長が一堂に会し、食の安全に関する国内や海外の成功事例や、経験を共有します。また、将来起こりうるリスクを予測し、そのリスクを軽減するための具体的な改善策を話し合います。
3. 知識をたくわえ、未来につなげる。“食品安全専門会議”
  食品衛生の専門家、行政経験者、サプライヤーが参加し、食の安全をテーマに専門的な知識や経験を共有。行政や科学の専門家の視点から将来起こりうるリスクを予測し、最適な対処方法を探ります。
4. 品質を守る人を育てる。“食品の安全と品質管理のトレーニングプログラム”
  アルバイトを含む全従業員を対象に、トレーニングと認証プログラムを開始します。お客様に安全で高い品質の商品を提供するポリシーへの理解を深め、食の安全・品質管理の重要性について、毎年、認識を新たに定着させていきます。
各対応策の詳細はページ下部をご参照ください。

中国国内でのチキンサプライヤーに関するメディア報道以降、日本マクドナルドは「すべてを、お客様のために」の方針のもと、お客様に安心してお食事を楽しみいただけるよう既に導入している対応策※1に加え、更なる品質管理体制の強化に取り組みます。
マクドナルドのメニューを構成する原材料の生産者、サプライヤー、マクドナルド店舗までのサプライチェーンの関係者が相互に緊張関係を保ちながら強固な協力体制を築くこと、そしてその経営者、従業員が品質管理の意識を向上させることを最優先します。この4つの強化策は、一切の妥協を排し、国内外の事情から必要な対策を可能な限り取り込んだ内容になります。

※1 日本マクドナルドは、商品の安全・安心の向上にむけた取り組みとして、8月にタイのチキン工場と中国の工場へ日本マクドナルド品質保証担当者による臨時特別監査を実施しました。また9月以降は、同工場へ月一回の現場確認を行っており、工場での品質管理が問題なくできていることを確認しています。この他、同工場からの製品が日本に届くたびに規格検査を実施しており、規格の再確認を行っています。
一方、お客様に向けた商品情報として、ウェブサイトで公開した「最終加工国および主要原料原産国リスト」は50万件のダウンロード、お客様からいただく疑問に答えるQ&Aサイト「見える、マクドナルド品質」ではチキン、ビーフなどへの質問やタイのチキン製品加工工場の動画を公開しており、これまでに150万人以上の方にご覧いただいています。

<新たな品質管理強化策 詳細>
【1】新・監査体制
  ・海外を含む、主要原材料である食肉や魚介類、野菜のサプライヤー約30社を対象に、無予告の監査や査察を最低でも年2回実施します。
  ビーフ、チキン、ポーク、フィッシュなどの食肉、魚介類やレタス、オニオン、キャベツなどの野菜のサプライヤーを対象に、最低年2回の無予告の監査や査察を新たに実施します。現在、国内外あわせて、約30社が対象になります。
2回のうち1回は日本マクドナルドの品質保証担当者による査察、もう1回は、日本マクドナルドから依頼を受けた第三者機関の監査員が行います。2回の監査や査察は別の期日に、事前の通知なしで実施します。
  ・サプライヤーには原材料の加工工場への定期監査の実施を要請します。
  サプライヤーが使用している原材料の加工工場(一次加工)について、組織的な監査体制を構築します。これらの監査は、各原材料を直接調達するサプライヤーが実施し、監査結果のレポートの提出も義務づけます。ここでの要求事項は、国際標準の衛生管理手法であるHACCPや国際マネジメントシステム規格であるISO9001、ISO22000、PAS220などに、マクドナルド独自の基準を加えて構成された、グローバル基準のサプライヤー品質マネジメントシステム(SQMS)の中から最重要12項目「Non-negotiable 12」になります。近い将来、SQMS全ての要求事項に適合するように働きかけていきます。
原材料の調達するサプライヤーが一義的な品質管理責任を持ちますが、今回新たにマクドナルドが要求事項を明確にし、監査体制を追加構築することで、サプライヤーによる原材料の管理水準の向上が期待されます。
  ・サプライヤーの品質管理担当者に年2回の内部監査を実施し、レポートの提出を要請します。
  サプライヤーの自主監査の頻度には特に指定はありませんでしたが、年2回の実施を義務化しました。サプライヤーの品質管理担当者が内部監査を実施し、そのレポートを日本マクドナルドに提出します。
【2】食の安全サミット
  ・サプライヤーのフードセーフティに関する理解を深め、衛生水準の向上を図るため、海外を含むすべてのサプライヤーの品質管理責任者とその部門長が集まり、成功例を学び情報を共有する「食の安全サミット」を年1回開催。マクドナルドからはサラ・エル・カサノバCEO、品質保証担当役員、品質保証関係者が参加します。
  この「食の安全サミット」は、マクドナルド、サプライヤーから品質管理関係者やその部門長、約220名規模(予定)でフードセーフティの向上のため一堂に会します。マクドナルドとサプライヤーが優れた取り組みについて情報交流し、フードセーフティに関する理解を深めることで、お客様に安心してお食事を提供できる環境につなげていきます。
サミットにはマクドナルドのアジア太平洋地域の品質保証責任者、海外サプライヤーのマネジメント層の参加も予定されており、幅広い技術交流や意見交換が期待できます。第1回サミットは、2015年の第一四半期(1〜3月)に東京で開催を予定しています。
【3】食品安全専門会議
  ・食品衛生など各分野の第三者専門家、サプライヤーで構成する「食品安全専門会議」を設置、客観的な視点から、食品衛生や品質管理に関する課題や将来予測されるリスクへの対策を高度な専門性を持って議論します。
  「食品安全専門会議」は、食品安全・衛生などの専門家に加え、行政経験者、サプライヤーの品質管理担当、マクドナルドの担当者で構成され、食品衛生に関する主に4つの課題について議論し、マクドナルドの食品安全への取り組みに関する指針を提示します。
  A−食品安全マネジメントシステムの最適化
  例:フードディフェンスや産地偽装など社会的事件に対して、現行のサプライヤー品質マネジメントシステム(SQMS)など食品安全マネジメントシステムの最適化について議論します。また、サプライヤーが、規格通りの原料の受け入れと、製品を提供するための工場試験室の検査技能を確保します。
  B−栄養やアレルギー情報、原産地などの商品情報提供の最適化
  例:商品に関してお客様が必要とする情報、お客様がお知りになりたい情報の提供について議論します。また、栄養バランスのよい食生活の普及、啓発について成功例を学びます。
  C−食中毒、感染症への対策の最適化
  例:食中毒や感染症に対するリスクマネジメントについて議論します。海外や国内の感染症の発生状況から、食中毒や施設内の感染などの予防対策を具体化します。
  D−食品衛生に関する未来のリスク予測からリスク管理の最適化
  例:海外や国内の食品衛生に関する事故や事件などから、今後発生するおそれがあるリスクを予測し、それに対する対策について情報交流します。
【4】食品の安全と品質管理のトレーニングプログラム
  ・アルバイトを含む全従業員を対象に、食の安全と品質管理について継続的な学習機会を設け、食を扱う者としての知識の再確認と意識の向上を図ります。
  アルバイト従業員は、店舗勤務開始前のオリエンテーションで食の安全と品質管理のトレーニングを受け、早い段階から高い意識を持たせます。その後、店舗運営を行うことができるマネージャー職に昇格するまで、食品衛生責任者の資格習得レベルの教育プログラムを行っています。
今回、お客様に高い品質と安全な製品を提供するポリシーの再確認と知識のリマインドを図るため、アルバイトから本社スタッフまで、改めてトレーニングを実施します。ハンバーガー大学および食品安全専門家会議がトレーニングの内容を監修し、毎年、全員が受講し認証を受けることを義務化します。