日本マクドナルドホールディングス株式会社
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2012年11月1日

日本マクドナルドの成長戦略について

日本マクドナルドホールディングス株式会社の連結子会社である日本マクドナルド株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役会長兼社長:原田泳幸)は、 本日、「日本マクドナルドの成長戦略」を発表します。その要旨は以下の通りです。

1.背景

日本マクドナルド株式会社(以下当社)はこれまで、「QSC」(信頼の品質、スピーディーで心地よいサービス、清潔で快適な環境)を基盤として、様々な商品戦略、マーケティング戦略を展開するとともに、戦略的閉店、大型ドライブスルー店舗を中心とする店舗開発等、積極的な店舗ポートフォリオ改革を推進し、顧客価値、企業価値を高めてまいりました。

当社の事業環境は、IEO*市場規模の縮小やHMR*への需要シフト等を背景に厳しい状況が続いており、本日発表した第3四半期累計の既存店売上高対前年比は-2.2%となりました。そのような中、当社は、長期的かつ収益性の高いビジネスのベースラインの構築や、今後の更なる成長機会を見据えた戦略策定を本年第3四半期以降進めてまいりました。本日はその概略についてお知らせいたします。

*IEO (Informal Eating Out:主に飲酒を目的とした業態及び給食施設を除いた外食マーケット)
*HMR (Home Meal Replacement:家に持ち帰り食べる調理済み料理)

2.日本マクドナルドの成長戦略

当社は、今後の成長戦略として、下記分野に経営資源を重点的に投入します。

  • ■店舗ポートフォリオの最適化
  • ■フランチャイズビジネスの強化
  • ■マーケティングの強化
  • ■ブランドエクステンション

■店舗ポートフォリオの最適化

当社がこれまでに行ってきた、ゴールドスタンダードドライブスルー(大型ドライブスルー)を中心とした新店舗開発、433店舗の戦略的閉店、戦略的リロケーション等の店舗ポートフォリオ改革は、着実に成果を上げています。IEOマーケット全体が縮小している中でも当社の利用機会シェアが増加しているのは、これまでのこの店舗ポートフォリオ改革の成果だと言えます。それらを踏まえ、当社は下記3つの方針を軸とした更なる店舗ポートフォリオの最適化を進めます。

■ゴールドスタンダードドライブスルーの出店強化
ゴールドスタンダードドライブスルーは他の店舗タイプと比較し、売上及び利益において優位性が明らかであり、この出店をさらに強化することにより、売上高/利益率の大幅向上が図られ、強固なベースラインを構築することができます。
■更なる戦略的閉店
2013年に、通常の閉店に加えて、110店舗の戦略的閉店を実行します。また、売上規模が小さい店舗、フルメニューを提供できない店舗等、長期的に成長が期待できない店舗はまだ相当数存在するため、2013年に予定しているこの110店舗に止まらず、株主価値やマーケットシェアを慎重に検討し、ランドオーナー等との関係も考慮しながら継続的な戦略的リロケーション及び閉店を進めてまいります。
■優良不動産の取得
有力立地の土地・建物の所有、あるいは建物(土地は賃借)の所有は、いずれにも店舗利益率向上の機会点があります。土地・建物所有店舗の利益率の優位性は当社比較で約6%、建物だけを所有した場合でも約1%となっており、優良不動産の取得の機会点は小さくありません。

■フランチャイズビジネスの強化

フランチャイズ化については、経営効率の向上と全店ベースでの投資の最大化を目的に、これまでも積極的に推進してまいりましたが、引き続き、2013年末フランチャイズ店舗比率70%を目標として加速してまいります。加えて、直営店舗の役割を明確化した上で、ビジネスのベースラインを強化するために最適な店舗比率を定義し、それに向けたフランチャイズ化を進めてまいります。

■マーケティングの強化

これまでの売上構成を分析した結果、売上の中には、利益を伴い継続的に商品及びブランドの価値を高めていく適切な売上と、一過性の売上と利益を生むが、継続的ではない売上があることが明確になりました。当社は、当第3四半期から既に、一過性の売上・利益を生むための活動を抑制し、今後の継続的かつ健全な利益を伴う売上(=ビジネスのベースライン)を構築するために、「バリュー」・「メニュー」・「ブレックファスト」・「コンビニエンス」の重点施策に投資をシフトしています。

バリューについては、具体的な施策として、100円マックだけでなく、平日ランチ時間帯の売上に貢献する「マックランチ」等の施策を進め、お客様へのバリュー、お得感のイメージ全体を強化します。

メニューについては、特に機会点が大きい、ビッグマック、マックフライポテト、チキンマックナゲットなど、当社ならではの、グローバルコアメニューへの投資を強化します。また、期間限定商品の数を最適化し、客数獲得活動とのバランスをとりながら売上と利益の成長を狙うとともに、積極的なブランドキャンペーン、店頭プロモーション等によりビジネスのベースラインを築くための活動を推進します。

ブレックファストについては、機会点の大きい朝食市場を戦略的な投資対象として位置づけ、年間を通じて、重点的かつ一貫した投資を行います。また、コーヒーサンプリングは、すでに2012年10月に着手し、新規顧客の獲得に成功しています(10月実施12日間で累計300万杯提供)。

コンビニエンスについては、ドライブスルーでのサービススピードに大きな機会点があり、それを向上するためのマーケティング施策を行います。また、次項で説明するブランドエクステンションも共に強化していきます。

■ブランドエクステンション

これまで推進してきた事業構造改革に加え、マクドナルドのブランドエクステンションの一環として「マックデリバリーサービス」と「マックカフェ バイ バリスタ」を本格的に展開します。マックデリバリーは、昨年より展開しているテスト店舗で大きな成果を挙げておりますが、来年度より首都圏を中心に拡大、その後全国展開を行ってまいります。マックカフェ バイ バリスタにつきましても、テスト店舗での成果が確認できており、今後、郊外のドライブスルー店舗を中心に本格的に全国に拡大させていく方針です。

以上